村川マルチノ佑子

第6回目を迎える「文字飲み@福岡」に参加してきました。
好きな文字(タイポ)を肴に語り合うというものです。
以前からこの集まりのことは知っていたもののなかなかタイミングが合わず
6回目にして初めて参加できることになりました。

文字と言えば、日頃、仕事で文章とか言葉を考えているわけで、
インプットもアウトプットも毎日結構な量の文字に触れています。

その中でも特にタイポグラフィに関して言うと、
書いたコピーが、どのタイポで組まれるかということはやはり気になりますし、
ボディコピーなんかを変な文字組されてるととても憤ります。
それに、読まずに組んだことはすぐバレるからしないように!
(と、夫に対してのメッセージになってますが。)

文字飲みに参加する旨を明らかにしたところ、ほとんどの友人が「なにそれ?」と興味を持っていたので
すこし詳しめにまとめてみることにします。

参加者は11名。まず最初に自己紹介。その後、1人1分の持ち時間で
文字に関することを自由に話します。

みなさんのお話、どれも面白かった。
パーソナルな想いが聴けるのがいいですね。

写真を撮っていたものだけざっくり振り返ってみます。

 

トップバッターはミサコ君。服部一成さんの手がけたものが気になる!というか、好きだ!というお話。

フツーでざっくりしたもの(フォント)が、アウトプットで何かが起こってアートになる件。
ホンマタカシさんのリーフと、現在水戸で開かれている拡張するファッションのリーフを見ながらのお話でした。

「拡張するファッション」のリーフはホントにひかれるものがあります。我が家も、家に貼ってます。
美術館に置かれていることが多いので、興味のある方はぜひ最寄り美術館をチェックしてみてください。
(3枚目の写真に写り込んでいます)
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こちらは、AMADAMANさん。最近ご自身で手がけられたフォントを複数紹介しながら、なぜこうなったかを紹介してくださいました。作った本人のお話を聞けるのもこの会の醍醐味。文字を作れるっていいな〜。
どのお仕事も素敵でした。

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こちらは、Aさん。職場に届く段ボールに印刷してある「コネックス」という社名ロゴが気になるとの報告。
「ネ」があきらかに仲間はずれなんですが、なにがあったんでしょうか。

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Aさんはお菓子の新商品を開発するお仕事をされているのですが、
「コネックス」のタイポが印刷されている紙が天ぷらの油を吸う紙だったのがさすが!
そんな密かな一貫性が好きです・・・!

直前のAMADAMANさんさんのスピーチで「粗いテクスチャーをどうやって出しているか?」という話題になっていたのですが、印刷するだけで活版を思わせる粗さが出てしまうこの紙にみんなが注目。

寄るとよりわかりますね。白いぶつぶつがいい感じで出ています。

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「天ぷらの紙としてでなく、別の名前を付けて売れば、きっと売れる。」そんな結論が出ました。
紙メーカーさんお願いします。粗いテクスチャーを出したいデザイナーが待っています!!

 

 

熊本のKさんはお習字をされているとのことで書道のお話。
書道では文字の美しさよりも、線の質(とめ、はね、点)のほうが重視されているそう。
漢字の「永」には全ての要素が入っているため、この文字を練習すればうまくなるのだとか。
そういえばそうだった気もする(←一応 通ってた)。
今は筆にもいろんなものが出ているそうなので、道具から入ってみるのもいいんではないかということでした。
映し出された「用意周到」に和む一同。投影用にこの四文字を選ぶKさんのセンスは好きです。

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日本で唯一のヌードルライター、1日1麺がモットーの山田さん
イラストレーター・のりたけさんの書く文字が気になるとのこと。
(イラストレーターさんの文字って、絵に見えますよね。)

お仕事柄、赤ペンで書かれた校正の文字が気になられるとのこと。
そうですよね。原稿がまっ赤になって帰ってくると、ハートが痛くなりますよね。
(私はラジオの考査が一番痛みますが・・・。)

厳しい校正でも、文字の佇まいによっては和やかな気持ちで見れるそうです。わかる〜。

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こちら、WEBデザイナーのMさんが紹介されたものの中に心ときめいたものがあったのでピックアップ。
そう、鳥山先生ってすぐわかるんですよね〜。
Mさん曰く、色もポイントとのこと。なるほどー。たしかに鳥山色。

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私の番。

写真は無いのですが、下のようなスライドを見ながら「楽譜の文字」をとりあげました。
一番最初にフォントというものを意識したのはいつだろう?と思い返してみると、楽譜だと思ったからです。
子どもながらに、バイエルの表紙が昔風で嫌だったことを覚えています。
そしてバイエルが終わっても、またもやレトロな手書きフォントが使われた表紙の楽譜を渡され・・・。

成長とともに作曲家別の楽譜と出会います。
中学生ともなれば、楽譜もおしゃれな物を持ちたいですよね。少ない選択肢の中からこだわって選んでました。
中身にこだわらなくてはいけないものですが、とことん表紙にこだわってましたね。

な〜んか、これってベートーベンぼくないなぁとか、
このバラードの文字はバラードっぽい!とか、
バッハだったらこれかな、とか
その作曲家らしいかどうかを考えてジャケ買いするようになりました。
(良い子は真似したらダメ。先生の指示通りの楽譜を買いましょう)

見づらくて運指も書いていない原典版だったとしても、
表紙が良いから買ったりしてましたね。もちろん先生に買い直しを命じられましたけども。

ちなみに左下のブルーのベートーベンは、最も出回っている出版社のもの。
ピアノをしてた人ならほとんどの人が見たことのある表紙だと思います。

が、みなさんの反応は「テクノのスコアにしか見えない」とのことでした。

 

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そして、この「文字飲み」をはじめられたWEBデザイナーのNaomiさんは東京から!
みんな大好き!とってもお世話になっているフォント「futura(フーツラ)のミステリー」がテーマです。
そうそうと共感のどよめきがあがっていましたが、みなさん、futuraの気になる点、ピンと来ますか? ↓

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そうです、クエスチョンマークが迷走している件です。
(土産話を夫にしたところ、小林章「フォントのふしぎ」をひっぱりだしてきて盛り上がっていましたが。)

ちなみにfuturaのブログと言えばここです。久しぶりに見たけど、4月3日に更新してある。

 

 

 

最後はデザイナーのEさん。
漢字が大好きとのこと!クラスに1人はいましたよね。Eさんのような漢字好き・・・。
最近平凡社から発売されたばかりの白川静による漢和辞典『字通』(普及版)を持参されてのお話となりました。
「意外に軽いんですよ!」とアピールされている姿に強い字通愛を感じます。
敢えて言いますが、持ち歩く人はそうはいないはずです。

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漢字の成り立ちがわかります。
ちらっとお借りして、名字の最初の文字の成り立ちを調べてみました。
読みふけりそうですね。こちらの字通、1万円です。

 

 

 

それぞれのスピーチの後にみんなでわいわい話すというスタイルで11名がおもいおもいに文字について話し、
二次会では飲みながらの交流会でした。
文字の話に限らず、デザイン、制作、いろんな話で盛り上がりました。

1番若い女の子が25歳なので私とは10歳差があった訳ですが、
文字好きであればその辺は関係ないのでした。

デザイナーじゃないけど大丈夫かな?とドキドキして参加したのですが
みなさんわかりやすいお話だったのでほっとしました。
(つたない話も聞いてくれるし!)

また行きたいです。

終電を逃してしまった話はまた別のエントリーにしたいと思います。

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